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ディミトリ
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メルセデス。本当に申し訳ないんだが……
手を、貸してくれないだろうか。
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メルセデス
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あらあら? この外套、裾が破れてるわね。
だけどこのくらい、繕っちゃえば……
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ディミトリ
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……情けないことこの上ないんだが、
裁縫には……これまで無縁だったもので。
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メルセデス
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あら~。じゃあ、前に私が服の裾を
破っちゃった時も、困ったでしょう?
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ディミトリ
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……まあ、そうだな。
それなりに……いや、かなり……。
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ディミトリ
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……頼む、俺に裁縫を教えてくれないか。
お前の腕はかなりのものと聞いた。
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メルセデス
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ふふ、もちろんいいわよ~。
そんなに申し訳なさそうな顔をしないで。
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メルセデス
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じゃあ、道具を取ってくるから、
ここで待っていてね~。
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メルセデス
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……ごめんなさい、ディミトリ。
私には、その……。
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ディミトリ
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この際、正直に言ってくれ。
もう面倒を見切れない……と。
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メルセデス
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縫い針を折っちゃうだろうな、っていうのは
何となーく想像していたんだけど~……
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メルセデス
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まさか針どころか、
はさみまで曲げて壊しちゃうなんて……
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ディミトリ
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普段は気をつけているんだが、
細かい作業では、どうにも力の加減が……
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メルセデス
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ふふっ、いいのよ~。ただ、
ここまで来るとちょっとおかしくって~。
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ディミトリ
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……自分の馬鹿力が、今ばかりは恨めしい。
やはり裁縫など、俺には……
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メルセデス
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あら、諦めちゃうなんてもったいないわ~?
あなたはちょっと慣れてないだけよ。
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メルセデス
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苦手でも、諦めずにやれば上達する。
あなたが私に言ってくれたことじゃない~。
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ディミトリ
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……そうだったな。俺らしくなかった。
もう一度やってみよう。
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メルセデス
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ええ、その調子よ。それじゃあ、再挑戦ね。
取りあえず糸を針に通して~……あ。