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メルセデス enters the scene
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フェルディナント enters the scene
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フェルディナント
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メルセデス! ここにいたか!
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メルセデス
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あら、フェルディナント。 そんなに息を切らして、どうしたの~?
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フェルディナント
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ふっ、なに。 君に見せたいものがあってね。
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メルセデス
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何かしら~……え? ええ~!?
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フェルディナント
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わかったようだな。 これは、君の養父の作った取引の書類だ。
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フェルディナント
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君を養子にするに当たってかなりの大金が 動いている証拠だな。簡単に入手できたよ。
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メルセデス
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入手って……どうやって?
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フェルディナント
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フェルディアに行き、 彼の屋敷に忍び込んだだけさ。
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フェルディナント
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フェルディアに潜入し、 彼の身の回りを探っただけさ。
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フェルディナント
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優秀な貴族たるもの、 この程度のことは朝飯前にこなせないと。
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メルセデス
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す、すごいわね~。……じゃなくて、 危ない真似はしないで、フェルディナント。
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メルセデス
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私のためなんでしょう? こんなことしなくても……
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フェルディナント
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いや、自分のためだとも。 私が我慢ならなかったのさ。
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フェルディナント
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それより、この書類が表沙汰になれば、 君の養父の評判は地に落ちる。
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フェルディナント
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当然、貴族になる話は立ち消え……領主にも よるが、普通なら君との養子関係は解消だ。
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フェルディナント
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……君は自由の身になれる。
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フェルディナント
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これは、君に渡そう。 好きに使ってくれていい。
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メルセデス
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……本当に? これがあれば……私は、自由になれるの?
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フェルディナント
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ああ、もちろんだとも。
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フェルディナント
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君は君の思うまま、 自分の人生を歩むことができる。
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メルセデス
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私の……人生……。
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メルセデス
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……ごめんなさい、フェルディナント。 この書類は、あなたが持っていて。
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フェルディナント
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なっ……! それはいったいどういうことだ?
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メルセデス
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……私はずっと、誰かに流されるまま、 適当に生きてきたわ~。
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メルセデス
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それでもいいって思っていたの。 頑張ったってどうにもならない、って……。
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メルセデス
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でも、こうして自由を与えられてみると、 それも何だか違う気がしちゃって……。
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フェルディナント
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……君の言葉は、時にとても難解だな。 君は、自由な人生を送りたくはないのか?
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メルセデス
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ふふ……そうね。フェルディナントらしく 言うなら、こんな感じかしら~。
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メルセデス
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真の貴族ならば、運命を自ら切り拓き、 己の手で自由を掴み取らねばならん!
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フェルディナント
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……ふっ。これは一本取られたな。 ならば、この書類は私が預かろう。
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メルセデス
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……ふふっ、だけどあなたの気持ちは、 本当に……本当に、嬉しかったわ。
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メルセデス
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あなたが私のために行動してくれた、 それだけで十分よ。
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フェルディナント
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そうか……ならば私は、君の心からの 笑顔を見られた、それだけで十分かな。