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マリアンヌ
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最近、私の近くで食事しているようですが、
なぜですか……?
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マリアンヌ
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私といても、食事がつまらないでしょう?
その……話も弾みませんし……。
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マリアンヌ
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……私、人と会話するのが苦手で。
何を言われても上手く返せませんし……。
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ローレンツ
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賑やかな食事を好む者もいるが、
僕は静かにゆっくりと楽しみたいほうでね。
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ローレンツ
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君の側だと、落ち着いて食べられる。
これほど安らぐことはない。
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ローレンツ
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それに、君の所作はとても品がある。
食器の扱い方が美しい者は大変好ましい。
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ローレンツ
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長い間、君を見ていて、
僕は、ようやく気づいたのだよ。
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ローレンツ
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君の美しさの本質は、心根の美しさ……
すなわち、内なる美なのだとね。
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ローレンツ
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着飾ったり繕ったりする上辺の美より
その人本来の、人間としての美だ。
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ローレンツ
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僕は君が、磨けば光る原石なのだと
思っていたが、それは間違いだった。
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ローレンツ
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君はそのままでいい。
今のままで、十分美しいのだからね。
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ローレンツ
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ああ、そうだ。
君に上辺の美など蛇足の極みだよ。
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マリアンヌ
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そ、そんなことを言われたのは、
初めてです……。
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ローレンツ
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ならば他の者に見る目がないのだ。
この僕の目利きに敵う者はいないのだから。
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ローレンツ
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だが同時に……このまま君の美しさが
世に出なければいいとも思ってしまう。
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ローレンツ
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君の真価は、このローレンツ=ヘルマン=
グロスタールだけが知っていればいいのだ!
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ローレンツ
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それでは、お先に失礼するよ。
はーっはっはははは……!
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マリアンヌ
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へ、変な人……。
でも……このままでいい、か……。