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メルセデス
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こんばんは~、シルヴァン。
悪いわね、わざわざ来てもらっちゃって。
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シルヴァン
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ああ、こんな時間に二人っきりと来た。
……意外と手が早いんだな、メルセデスは。
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メルセデス
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……? 何の話かしら~?
ちょっと話したいことがあっただけよ?
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シルヴァン
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あ、そ、そうでしたかあ……。
まあ、そりゃそうだよなあ……。
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メルセデス
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私、ぼんやりしてるから、この間
言うの忘れちゃったなって気づいたの。
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メルセデス
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紋章を持つって、それだけたくさん
期待や恨みを集めるってことでしょ。
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メルセデス
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お父様やお母様からは、
嫡男としてたくさん期待されて……
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シルヴァン
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……そりゃまあ、王国でも大領主って
くくりの家だし、多少は期待するよな。
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シルヴァン
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そんなの、当然の務めだ。
そういう奴なんて他にもたくさんいるだろ。
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メルセデス
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お兄様からは、
殺されかけるほど妬まれていたって。
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シルヴァン
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それも今思えば、つらかったのは
俺よりもむしろ兄上だっただろうって……。
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メルセデス
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そして、あなたの紋章を目当てに、
たくさんの女性が寄ってきた。
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メルセデス
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けれど、あなたが心の底では女の人を
嫌って、怖がっているのは、何となく……。
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シルヴァン
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……ええと。その話、
仲間とか、他の女の子たちには……。
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メルセデス
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あなたの痛みや苦しみは、
私にも何となく……わかるもの。
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シルヴァン
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……そうだよな、君も俺と同じで
散々嫌な思いをしてきたんだろうから。
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シルヴァン
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はは……嫌だな、悲しい笑顔だなんて。
俺、そんなに不細工だったかい?
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メルセデス
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本当のことを話してくれたあなたは、
今まで見たどのあなたよりも素敵だったわ。
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シルヴァン
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………………。ああクソッ、メルセデス。
君は本当に、何なんだよ、本当に……!
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メルセデス
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シルヴァン、泣いてもいいのよ。
私があなたを守るから。
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シルヴァン
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……ああ、約束する。俺にとって、
君は本当に、特別な女性だからさ。