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ベルナデッタ
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こ、ここはしゃがんで……
大きな石になってやり過ごすしか……
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ユーリス
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………………。
……おい、ベルナデッタ。
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ユーリス
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当たり前だろ……何で俺を見るたび
逃げるんだよ、お前。面倒くせえ奴だなあ。
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ユーリス
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許してほしけりゃ理由を言え。
ただしお前の話は回りくどいから簡潔に。
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ベルナデッタ
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ええ!? そ、それはですね……、ベルが
まだ子供だった頃、お父様とお母様が……
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ベルナデッタ
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ひゃあっ!? ……ユ、ユーリスさんが、
ベルの……昔の友達に、似てるからです!
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ユーリス
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ふうん、友達に。こんな美少年が、
世界に2人もいるとは思えねえがなあ。
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ベルナデッタ
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簡潔に言ったのに駄目じゃないですかああ!
なぜ!? なぜなの!? あたしが何を……
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ユーリス
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わかった、わかったから騒ぐな。
で、その友達ってのはどんな奴だったんだ?
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ユーリス
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お前がそこまで逃げ回るってことは、
よっぽどのクソ野郎だったんだろうなあ。
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ベルナデッタ
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お屋敷にいた庭師見習いの子で、
優しくて、頼りになって、かっこよくて……
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ベルナデッタ
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あたしと仲良くしてくれたのは、
その子だけだったんですよね。
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ベルナデッタ
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よく一緒に外を駆け回って遊んだりして……
まあ信じられないかもしれませんけど。
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ユーリス
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なら何でそいつに似てる俺から
逃げるような真似をしてるんだよ。
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ベルナデッタ
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それも説明するんですかあ!? ベルたち、
そこまでまだ仲良くなってないような……
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ユーリス
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お前が説明しない限り仲良くはなれねえな。
となるとこの問答は永遠に続くことに……。
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ベルナデッタ
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なな何でそんな酷いこと言うんですうう!
言います! 言いますから!
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ベルナデッタ
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……その子がですね、ベルのせいで酷い目に
遭って、屋敷から姿を消しちゃったから……
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ベルナデッタ
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ベルがあの子と友達になったことに、
平民嫌いのお父様が気づいて……それで……
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ベルナデッタ
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きっと死んじゃったんですうううう!
ずっとベルのことを恨んでええええ!!
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ユーリス
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……ぶっ。いや、そりゃあねえだろ。
何でまたそんな思い込みをしてんだ?
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ユーリス
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その程度でガキなんか殺すかよ。お前を
恨むのも筋違い……お粗末な妄想だぞ。
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ベルナデッタ
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違いますもん! 何でユーリスさんに、
そんなことわかるんです!
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ユーリス
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………………。
会ったことはねえが……ああ、面倒くせえ。
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ユーリス
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なあ、ベル。
お前がガキの頃の話なんだが……
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ユーリス
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はさみを持ったまますっ転んで、
「友達」を酷い目に遭わせたよな?
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ユーリス
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俺がお前を恨んでるとしたら、あの時に
この顔に傷をつけられたことくらいだよ。
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ベルナデッタ
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その顔に、傷う……? ううん……?
えっと、いや、まさか、あの、ぶばばば……
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ユーリス
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その友達ってのは、他でもねえ俺のことだ。
忘れるなんて薄情だなあ。
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ユーリス
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とりあえず、あの日の一件をお前が
どう思っていたかがわかっただけ収穫だ。
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ユーリス
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まあ、後で腹割って話でもしようぜ。
積もる思い出を、ゆっくりとな!
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ベルナデッタ
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ほへえ……ぽひい……
なんか、すごいこと、起こった気が……