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ユーリス
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いや、ちょうど今、作業が終わったところ。
何か用があるなら聞くけど。
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ユーリス
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ちょっとした作業をな。
けど、もう終わった。
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ユーリス
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習慣でね。部下や仲間が死んだ時には、
そいつの名前を書き残すようにしてるのさ。
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ユーリス
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前の戦いで、たくさん死んだからな。昔から
ついてきてくれた奴も、そうでない奴も。
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ユーリス
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ああ、あれも同じさ。最初は爺さんに習った
字をつらつら書いてただけだったんだが……
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ユーリス
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いつからか仲間の名を記すようになってた。
俺が守ってやれなかった奴らの名前をな。
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ユーリス
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死んじまった奴には何もしてやれねえ。
死んだ後のことなんて何もわからねえ。
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ユーリス
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あくまでこれは、俺の自己満足なんだ。
誰かのためにやってるとかじゃねえ。
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ユーリス
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それでも、あいつらの名前を……あいつらが
生きた証を、残しておいてやりたい。
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ユーリス
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たとえ一瞬でも、同じ夢を見てくれた奴を
頭の俺が忘れちまうわけにはいかないだろ。
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ユーリス
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……はっ。変な奴だな、あんた。俺みたいな
悪党に、仲間想いも何もあるかっての。
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ユーリス
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まあ、あんたが何を思おうが勝手だが、
この帳面はそういうものなんだよ。
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ユーリス
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もしあんたが死んだ時には、
俺があんたの名前を残しておいてやるさ。
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ユーリス
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ああ、そうさ。確かにあんたの命まで
背負ってやったつもりはねえが……
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ユーリス
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確かに、部下でもねえあんたの命まで
背負ってやったわけじゃあねえが……
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ユーリス
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何て言えばいいんだろうな。
今は……あんたを信頼してる、というか。
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ユーリス
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あんたと一緒に進んでいけば、俺の求めた
未来が手に入ると……今は、そう思ってる。
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ユーリス
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だから、半端な場所で死んじまうなんてのは
勘弁してくれよ、先生?
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ユーリス
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俺はちょっとやそっとじゃ死なねえよ。
そういう星の下に生まれついてるからな。
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ユーリス
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……ん、何だ、先生。
何か言いたそうな顔してるけど。
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ユーリス
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俺の……名前? ああ……
前にそんな話もしたっけ。
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ユーリス
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ローベ家の養子として、
士官学校へ入るために使った名前だよ。
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ユーリス
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しかし本当の名前なんて、母親以外には
もう長いこと呼ばれた記憶がねえなあ。
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ユーリス
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……うん。けど、あんたにならいつか、
教えてやらねえこともねえ。
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ユーリス
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あんたが、
俺と同じ夢を見てくれるんだったら、な。