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                    エーデルガルト
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時々思うことがあるわ。
貴方には、他の道があったのではないかと。
 
                   
                 
                
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                    ヒューベルト
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もっと平坦で、面白味もない、腐った
貴族どもに連なる道があったでしょうな。
 
                   
                 
                
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                    ヒューベルト
                      volume_up
私は自分でこの道を選んだのです。決して、
貴方様に従わせられているのではない。
 
                   
                 
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                    ヒューベルト
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まさか、その程度のことを
貴方様がわかっておられないと?
 
                   
                 
                
                
                  
                  
                    
                      
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                          エーデルガルト
                            volume_up
ただ、修道院に来て、学び舎で
他の者と共に学ぶ貴方を見ていると……
 
                         
                       
                     
                    
                   
                 
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                    エーデルガルト
                      volume_up
そういう未来も、あったのかもしれない。
なんて考えることがあるだけ。
 
                   
                 
                
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                    ヒューベルト
                      volume_up
この齢で言うのもなんですが、私は幼さなど
とっくに捨て切っていたつもりでした。
 
                   
                 
                
                  
                  
                    
                      
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                          ヒューベルト
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ですが、修道院で過ごすこの時間を、
私は楽しんでいます。間違いなく。
 
                         
                       
                     
                    
                      
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                          ヒューベルト
                            volume_up
ですが、修道院で過ごしたあの時間は、
私にとって楽しいものでしたよ。
 
                         
                       
                     
                   
                 
                
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                    ヒューベルト
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ですが、それもこれも、私の隣に、後ろに、
前に……貴方様がいてくれたからなのです。
 
                   
                 
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                    ヒューベルト
                      volume_up
エーデルガルト様と道を同じくするという
ことが、私には何より大事なのでね。
 
                   
                 
                
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                    エーデルガルト
                      volume_up
私の道は、血に塗れた道。時に人を狂わせ、
未来を奪い、命すら顧みぬ道。
 
                   
                 
                
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                    ヒューベルト
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これから先、誰かに血を流させる役目は、
この私にお任せいただきたいものですな。
 
                   
                 
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                    ヒューベルト
                      volume_up
上に立つ者の手は、可能な限り
綺麗に見せねばなりません。
 
                   
                 
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                    ヒューベルト
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派手に血を流させ、彩ってみせますよ。
貴方様が歩む、真紅の花道を。