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ローレンツ
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おっと、すまない……。
メルセデスさん、怪我はなかったかい?
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メルセデス
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ええ、大丈……痛たた。
ちょっと足首を捻っちゃったかしら~。
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ローレンツ
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それはいけないな。
医務室まで送らせてくれ。さあ、手を。
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メルセデス
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ローレンツって貴族の女の子にしか
優しくしないんじゃなかったの~?
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ローレンツ
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とんだ誤解だな。困っている平民に
手を差し伸べてこその貴族ではないか。
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ローレンツ
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ましてや僕のせいで怪我をさせたのだ。
君を助けるのは、僕の責務だ。
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ローレンツ
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よし、処置はこれでいいだろう。
腫れもないし、すぐに良くなるはずだ。
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ローレンツ
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だが、歩きづらいだろう。
部屋まで送ろう。僕の肩に掴まりたまえ。
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ローレンツ
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君の部屋はここだったな。
では、僕はこれで失礼する。
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メルセデス
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……それとね、私、
1つわかったことがあるわ~。
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メルセデス
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ローレンツって、貴族の女の子にしか
優しくしないんじゃなくて~……
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メルセデス
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貴族の女の子以外には、
目を向けようとさえしないのね~。
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メルセデス
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だって、今もずっと一緒にいたのに、
私の顔を全然見ようとしないじゃない。
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ローレンツ
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申し訳ないが、僕は名門グロスタール家の
嫡男としての責務があるのだ。
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ローレンツ
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だから僕のことは諦めてもらいたい。
では、失礼。
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メルセデス
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あらあら~? 諦めろって……?
何の話だったのかしら~……?