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クロード
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……ああ、先生か。
何で女神の塔なんかに……
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クロード
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って、聞くだけ野暮か。
居たたまれなくなって逃げてきたんだろ?
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クロード
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まあ、いいっていいって。
ああいう賑やかな場は苦手そうだもんな。
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クロード
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ははは、見抜かれたか!
いや、舞踏会が苦手ってのは本当だぜ?
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クロード
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宴の席で踊り騒ぐのは嫌いじゃないが、
ああいう上品な踊りは、ちょっとなあ。
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クロード
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実はちゃんと教わったこともないんだ。
あんまり育ちが良くないもんでね。
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クロード
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そうなんだけどさ。肩書きは手に入っても、
中身までは簡単に変えられないだろ。
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クロード
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そんなことより、先生。
この塔にまつわる伝説は聞いたか?
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クロード
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今夜、未婚の男女がこの塔で願掛けすると、
女神様が強引に叶えてくれるらしいぞ。
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クロード
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さあ……舞踏会ってのは本来、大修道院が
落成した日を祝う行事だよな。
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クロード
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いつもは空の上にいる女神様も、今夜だけは
一緒に祝おうと降りてくる……とか?
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クロード
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まあ、生徒たちの間だけで噂されてる、
何の根拠もない伝説だよ。
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クロード
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だが折角、願かけできる条件が
揃ってることだし……やってみないか?
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クロード
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無欲そうなあんただって、
野望の一つや二つあるだろ?
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クロード
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だと思ったよ。
いや、誰だって同じだけどな。
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クロード
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はっきりと意識してなくても、
何かしらあるはずだぜ?
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クロード
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だと思ったよ。
いや、誰だって同じだけどな。
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クロード
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全部満たされてる人間なんてそうはいない。
みんな何かしら望みを抱えてるもんさ。
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クロード
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もちろん、俺もそうだ。いつの間にやら、
どデカい野望を抱えちまっててな。
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クロード
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できれば、先生にも同じ野望を
抱えてもらえるとありがたいんだが……
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クロード
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今はとにかく、女神様への願掛けだ。
んじゃ、早速……。
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クロード
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主よ! 我らの望みを叶えたまえ!
我らの野望を成就させたまえ!
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クロード
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これで、俺たちの野望成就は
主によって約束された……のか?
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クロード
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まあ、そういうことにしとこうぜ。
信じる信じないは俺たちの自由だからな。
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クロード
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さて……そろそろ戻るか。
みんな、先生を探してるだろうしさ。
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クロード
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何なら、俺と一緒に踊るか?
上品じゃない踊りなら、割と得意だぞ。