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レオニー
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やることがたくさんあるんでね。
優雅な貴族様と違って。
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レオニー
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忙しそうって思うなら、どいてくれない?
この荷物、見えないわけじゃないよね。
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レオニー
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貴族だから平民の頼みは聞けないって?
あんた、わたしを馬鹿にするのも……。
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ローレンツ
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君は足を怪我しているだろう。
歩き方を見て、すぐにわかったよ。
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ローレンツ
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そんな足で重い荷物を運べば悪化するぞ。
ほら、僕に見せてみたまえ。
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レオニー
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おい、やめろって。平民に対して、
そんなに頭を下げていいのか?
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ローレンツ
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頭を下げているのではない。
怪我を見ているのだ。
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レオニー
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周りから見たら、そうは見えないだろ。
いいからやめろってば……。
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ローレンツ
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平民の苦しみを取り除くのは、貴族として
当然の責務。少し黙っていたまえ。
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レオニー
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よく言うよ。貴族様がいったい、
平民に何をしてくれるっていうのさ。
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レオニー
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わたしの村じゃ、搾取されるばかりで、
恩恵を受けたことなんて……痛っ!!
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ローレンツ
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だいぶ腫れているな。熱も持っている。
膏薬の持ち合わせがあって良かったよ。
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ローレンツ
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困っている平民がいたら、すぐに
助けられるよう、普段から持ち歩いている。
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レオニー
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はあ? あんたの行動って、
つくづく理解できな……
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ローレンツ
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……おっと僕としたことが包帯を忘れたか。
仕方ない、このハンカチで我慢したまえ。
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レオニー
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わっ、それ高価なものなんじゃないか?
こんなことに使うのはもったいないだろ。
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レオニー
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それに、わたしは貴族のお情けでなんか
助けられたくないんだよ。
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ローレンツ
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貴族の助けが気に入らないなら、
仲間として受ければいいだろう。
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ローレンツ
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さあ、これで少しは痛みも和らぐはずだ。
荷物は僕が運んでおく。では失礼。